統合失調症で働きながら障害年金を受給する際の注意点

「統合失調症でも、働きながら障害年金を受給できる?」
「就職したら、障害年金はすぐに止まってしまう?」
「会社に病気や受給のことを伝えないといけない?」

統合失調症があっても、働いているという理由だけで障害年金の対象外になるわけではありません。ただし精神障害の審査では、就労状況が障害状態を判断する重要な資料になります。勤務できている背景にある職場の配慮や家族の支援まで、実態に沿って伝えることが大切です。

✅ この記事で分かること

  • 統合失調症で働きながら障害年金を受給できる可能性
  • 一般就労・障害者雇用・就労支援で確認される点
  • 診断書や申立書に反映したい就労上の制限
  • 就職・勤務時間の増加が更新審査に与える影響
  • 収入による支給制限がある例外的なケース

💡 この記事の結論

統合失調症で働いていても、障害年金を申請・受給できる可能性があります。審査では収入の有無だけでなく、仕事内容、勤務時間、欠勤、職場の配慮、周囲の援助、就労後の日常生活などが総合的に確認されます。就労できている部分だけでなく、就労を維持するために必要な支援を具体的に伝えることが重要です。

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統合失調症でも働きながら障害年金を受給できる

障害年金は、働けない人だけを対象とする制度ではありません。日本年金機構の障害認定基準でも、仕事に従事していることだけを理由に、直ちに日常生活能力が向上したとは捉えないとされています。

統合失調症では、幻覚や妄想が治療により目立たなくなっていても、意欲低下、思考力や集中力の低下、対人交流の難しさなどが残り、仕事や生活に制限が生じることがあります。そのため、病名、雇用の有無、給与額のどれか一つではなく、症状の経過と実際の生活全体から判断されます。

障害基礎年金と障害厚生年金で等級が異なる

初診日に国民年金へ加入していた場合などは、原則として障害基礎年金の1級または2級が対象です。初診日に厚生年金へ加入していた場合は、障害厚生年金の1級から3級が対象になります。3級は障害厚生年金にのみ設けられています。

特に3級は、精神症状により労働が制限される状態が認定基準に示されています。2級以上では、就労状況だけでなく、食事、清潔保持、金銭管理、通院・服薬、対人関係など日常生活上の制限が重要です。

統合失調症の障害年金で確認される就労状況

審査では「働いているか」だけでなく、次のような事情が確認されます。

確認される項目 具体的な内容
雇用・利用形態 一般雇用、障害者雇用、自営、就労継続支援A型・B型、就労移行支援など
勤務状況 勤務日数、勤務時間、遅刻、早退、欠勤、休職、勤務の安定性
仕事内容 担当業務の難易度、責任、業務量、仕事を限定されているか
職場の援助 頻繁な声かけ、手順書、個別指導、休憩、配置転換、納期の配慮
対人関係 指示の理解、同僚との意思疎通、接客や電話対応の可否
職場外の支援 家族の起床・服薬確認、送迎、支援機関との面談、生活援助
就労後の生活 帰宅後に食事や入浴ができるか、休日を回復だけに使っていないか

一般就労の場合

一般雇用でフルタイム勤務を安定して継続し、特別な配慮を受けずに複雑な業務や対人対応を行っている場合は、障害状態が軽いと判断される材料になり得ます。ただし、一般就労という名称だけで結論は決まりません。

実際には業務が限定されている、上司が何度も確認している、欠勤が多い、家族の支援がなければ出勤できないなどの事情があれば、その具体的な内容が重要です。

障害者雇用の場合

障害者雇用であることだけで認定されるわけではありませんが、就労を続けるために受けている合理的配慮は重要な判断材料です。短時間勤務、残業免除、通院休暇、静かな席、業務量の調整、対人業務の免除などを整理しましょう。

就労継続支援A型・B型などを利用している場合

福祉的就労や就労支援を利用している場合も、利用している事実だけで等級は決まりません。通所日数、作業時間、作業内容、工賃・賃金、欠席、支援員の声かけや見守りなど、実際の利用状況が確認されます。

働きながら申請するときの5つの注意点

1. 「働けています」だけで終わらせない

診察で「仕事はできています」とだけ伝えると、無理をしている状況や受けている配慮が伝わらないことがあります。勤務日数、欠勤回数、具体的な業務、失敗しやすい場面、援助の内容と頻度を医師へ共有しましょう。

2. 職場の配慮を具体的に整理する

「配慮あり」では情報が足りません。電話対応を免除されている、指示を一つずつ紙でもらう、週3日・1日4時間に制限されているなど、配慮がなければ何が難しくなるのかまで整理すると実態が伝わります。

3. 仕事以外の日常生活も伝える

出勤できていても、家では食事を用意できない、入浴できない、服薬を家族に管理してもらっているケースがあります。障害年金では、仕事中の姿だけでなく生活全体が確認されます。休日や帰宅後の状態も省略しないことが大切です。

4. 診断書と病歴・就労状況等申立書を整合させる

雇用形態、勤務時間、欠勤、職場の配慮が書類ごとに大きく異なると、生活実態が伝わりにくくなります。提出前に、診断書と病歴・就労状況等申立書の事実関係を確認しましょう。事実と異なる診断書を自分で修正してはいけません。

5. 就職後や更新時も状態の変化を正確に伝える

受給後に就職したからといって、その時点で自動的に障害年金が停止するわけではありません。ただし、更新時には新しい診断書などにより障害状態が再確認され、改善が認められれば等級変更や支給停止となる可能性があります。

反対に、勤務を続けるための配慮、欠勤、勤務時間の減少、症状悪化による休職などがある場合は、普段から医師へ伝えておきましょう。

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統合失調症で働きながら受給する場合の所得制限

原則として、給与があることだけを理由に障害年金が減額される仕組みではありません。ただし、初診日が20歳前にある傷病による障害基礎年金には、本人の前年所得に応じた支給制限があります。扶養親族の人数等により基準額が変わるため、日本年金機構の最新情報を確認してください。

また、障害年金は非課税所得です。通常は給与と合算して所得税が課されるものではありません。ただし、他の年金や給付との調整が生じる場合があるため、併給している制度がある方は個別に確認しましょう。

統合失調症と就労・障害年金に関するよくあるご質問

Q1. 正社員として働いていても障害年金を申請できますか?

正社員であることだけを理由に申請できなくなるわけではありません。勤務時間、仕事内容、欠勤、職場の配慮、周囲の援助、就労外の日常生活を含めて総合的に判断されます。安定したフルタイム就労の実態は、障害状態を判断する一つの材料になります。

Q2. 障害者雇用なら障害年金を受給しやすいですか?

障害者雇用であることだけで受給が決まるわけではありません。短時間勤務や業務限定など、どのような配慮や援助をどの程度受けているか、それでも生じている困難が何かを具体的に確認されます。

Q3. 給料が高いと障害年金は止まりますか?

通常の障害基礎年金・障害厚生年金には、給与額だけを理由とする一律の支給停止はありません。ただし、20歳前傷病による障害基礎年金には本人所得による支給制限があります。また、高収入を得る就労実態が障害状態を判断する資料となることはあります。

Q4. 就職したら日本年金機構へ届け出が必要ですか?

就職したことだけを理由に、すべての受給者が一律に就職届を提出する仕組みではありません。ただし、障害状態確認届などで就労状況の記載を求められたときは、現在の勤務実態を正確に伝える必要があります。個別に届出の案内を受けた場合は、その内容に従ってください。

Q5. 障害年金を受給していることを会社に伝える必要がありますか?

障害年金の受給だけを理由に、会社へ一律に申告する制度上の手続きは通常ありません。一方、障害者雇用や職場の配慮を希望する場合は、必要な範囲で病状や配慮事項を相談することがあります。社内規程や利用する制度も確認しましょう。

Q6. 働き始めると次回の更新で支給停止になりますか?

働き始めただけで自動的に支給停止になるわけではありません。更新時点の症状、日常生活能力、仕事内容、勤務の安定性、配慮や援助などから障害状態が再判断されます。就労後も医師へ生活と勤務の実態を継続して伝えることが大切です。

Q7. 仕事を休職中でも「就労中」と書くのですか?

在籍していても休職中であれば、その事実と期間、理由を正確に記載します。雇用契約があるかだけでなく、実際に勤務している日数、病気休暇、欠勤、復職支援の状況などが分かるように整理しましょう。

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