うつ病で障害年金3級は認定される?認定基準と実例を解説
目次
「うつ病で障害年金3級って、どんな状態なら認定されるの?」
「フルタイムではないけど働いている。それでも3級はもらえる?」
「そもそも自分は3級の対象になるのかが分からない…」
うつ病で障害年金を検討されている方から、こうしたご相談をよくお受けします。3級は「働けているから対象外」と思われがちですが、実際には就労状況に一定の制限があれば認定される可能性があるのです。ここでは、うつ病の障害年金3級の認定基準と、認定されやすいケースを、社会保険労務士が分かりやすく解説します。
✅ この記事で分かること
- うつ病の障害年金3級の対象になるのは「障害厚生年金」だけである理由
- うつ病で3級と認定される具体的な基準(ガイドラインの見方)
- 3級に認定されやすいケース・実例のイメージ
- うつ病の障害年金3級で受給できる金額の目安(令和8年度)
- 3級申請で失敗しないための注意点
💡 この記事の結論
うつ病でも、初診日に厚生年金へ加入していて、就労に著しい制限がある状態なら、障害年金3級に認定される可能性があります。ただし、3級は「障害厚生年金」にしかない等級です。初診日に国民年金だった方には3級がなく、2級以上に該当するかで判断されます。ご自身がどの等級を目指せるかは、初診日の加入制度と日常生活・就労への支障の程度で変わってきます。
うつ病の障害年金3級とは?対象は「障害厚生年金」だけ
障害年金の等級には1級・2級・3級があります。数字が小さいほど重い障害の状態を示します。ここで押さえておきたいのが、3級は「障害厚生年金」にしか存在しない等級だという点です。
障害年金は、初診日(その病気で初めて医療機関を受診した日)にどの年金制度へ加入していたかで、受け取れる年金の種類が変わります。
- 初診日に厚生年金に加入していた方(会社員・公務員など)→ 障害厚生年金(1級・2級・3級)
- 初診日に国民年金に加入していた方(自営業・専業主婦・学生・無職など)→ 障害基礎年金(1級・2級のみ)
つまり、うつ病の初診日にお勤めで厚生年金に加入していた方でなければ、そもそも3級という選択肢は出てきません。国民年金だった方は、2級以上に該当するかどうかで受給の可否が判断されます。
「自分は会社員として発症したのか、それとも退職後に受診したのか」——この初診日の確定が、等級を考えるうえでの出発点になります。うつ病の受給条件全体については、うつ病の障害年金の受給条件をまとめて解説した記事もあわせてご覧ください。
うつ病で3級と認定される基準(ガイドラインの見方)
うつ病などの精神疾患は、検査数値だけで重症度を測れません。そのため、日本年金機構は「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」を用いて、日常生活と就労の状況から等級を判断します。
3級の基本的な考え方
障害認定基準では、精神障害の3級はおおむね次のように定められています。
「労働が著しい制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度のもの」
2級が「日常生活に著しい制限がある(働くこと自体が困難)」状態であるのに対し、3級は「一応は働けるが、その働き方に大きな制限や配慮が必要な状態」とイメージすると分かりやすいです。
2つの指標で判定される
ガイドラインでは、診断書に記載される次の2つを組み合わせて等級の目安を出します。
- 日常生活能力の判定…食事・清潔保持・金銭管理・通院・対人関係・危機対応など7項目を4段階で評価し、その平均値を算出
- 日常生活能力の程度…全体としてどの程度の援助が必要かを5段階で評価
この2つを表に当てはめ、3級相当か2級相当かの目安が示されます。3級は、2級ほど日常生活の支障は大きくないものの、就労面での制限がはっきり表れているゾーンに位置します。
うつ病で3級に認定されやすいケース・実例
3級は「軽いから対象外」ではなく、「働けてはいるが制限がある」状態が評価されます。次のようなケースは、3級に認定される可能性があると考えられます。
- 時短勤務や障害者雇用など、勤務時間・業務内容に大きな配慮を受けながら働いている
- 調子の波が激しく、月のうち何日かは欠勤・遅刻・早退してしまう
- 復職と休職を繰り返しており、フルタイムでの安定就労が難しい
- 周囲の同僚と同等の業務量・責任を担うことができず、限定的な作業に留まっている
ケース例:時短勤務で調子の波があるAさん
たとえば、うつ病の診断を受けて休職・復職を経験し、現在は上司の配慮で1日4時間の時短勤務をしているAさんのようなケース。就労はできているものの、集中力の低下や気分の落ち込みで欠勤も月数日あり、フルタイム復帰の見通しは立っていません。こうした「働けているが著しい制限がある」状態は、3級の対象として検討する余地があります。
一方で、体調の波が大きく月の半分ほどしか働けないような場合、収入が不安定になり生活費に不安が生じることも少なくありません。就労が難しい時期の支えについては、うつ病で休みがちなときの生活費の頼り方をまとめた記事も参考になります。
※上記はあくまで一般的なイメージであり、実際の認定は診断書の内容や個別の状況で判断されます。同じ「時短勤務」でも、記載の仕方によって結果が変わるケースがあります。
うつ病の障害年金3級はいくら?受給額の目安(令和8年度)
障害厚生年金3級は「報酬比例の年金額」で計算されますが、金額が少なくなりすぎないよう最低保障額が設けられています。令和8年度(2026年度)の目安は次のとおりです。
| 制度・等級 | 年額(目安) | 月額換算 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 障害厚生年金3級(最低保障額) | 635,500円 | 約52,958円 | 報酬比例額がこれを上回れば、その額が支給 |
| 障害厚生年金2級 | 報酬比例額+障害基礎年金2級(847,300円) | 個人差あり | 配偶者加給・子の加算の対象 |
| 障害基礎年金3級 | ― | ― | 障害基礎年金に3級は存在しない |
※昭和31年4月1日以前生まれの方は、3級の最低保障額が633,700円となります。報酬比例部分は加入期間や給与により個人差が大きいため、上記はあくまで目安としてご覧ください。
うつ病で3級申請をするときの注意点
診断書に「就労の制限」が正しく反映されているか
3級の判断で最も重視されるのは、就労にどれだけ制限があるかです。「働いている」という事実だけが伝わると、実際より軽く評価されてしまうことがあります。時短・配慮・欠勤の頻度など、働き方の実態を診断書に正確に反映してもらうことが重要です。
「働いている=不支給」ではない
就労していると受給できないと思い込み、申請自体をあきらめてしまう方がいます。しかし3級は、そもそも就労に一定の制限がある状態を想定した等級です。働いていることを理由に、最初から対象外と決める必要はありません。
初診日の証明を早めに準備する
3級は初診日に厚生年金へ加入していたことが前提です。時間が経つとカルテが廃棄され、初診日の証明(受診状況等証明書)が取りにくくなることがあります。うつ病は発症から申請まで期間が空きやすいため、早めの準備をおすすめします。
よくあるご質問
Q1. うつ病で障害年金3級は本当に認定されますか?
就労に著しい制限がある状態であれば、認定される可能性があります。3級は「働けているが、時短・配慮・欠勤などの制限がある」状態を想定した等級です。ただし3級は障害厚生年金のみにあるため、初診日に厚生年金へ加入していたことが前提となります。
Q2. 国民年金加入中に初診日があると3級はもらえないのですか?
はい、その場合は3級の対象になりません。初診日に国民年金だった方は障害基礎年金となり、1級・2級しかありません。3級相当の状態では支給されず、2級以上に該当するかで判断されます。ご自身の初診日と当時の加入制度の確認が大切です。
Q3. フルタイムで働いていても3級に該当しますか?
働き方の実態によります。フルタイムでも、障害者雇用で大幅な配慮を受けている、頻繁に欠勤している、といった制限があれば検討の余地があります。逆に、勤務時間や業務内容が「制限なし」と評価されると、認定は難しくなる傾向があります。
Q4. 3級と2級では何が違うのですか?
日常生活の支障の大きさが違います。2級は「働くこと自体が困難で、日常生活に著しい制限がある」状態。3級は「働けてはいるが、その働き方に大きな制限がある」状態です。同じうつ病でも、状態によって目指せる等級は変わります。
Q5. 3級だと年金額はどのくらいですか?
令和8年度の最低保障額は年635,500円(月約52,958円)が目安です。報酬比例額がこれを上回る場合は、その計算額が支給されます。加入期間や給与によって個人差が大きいため、正確な額はお問い合わせください。
Q6. 障害者手帳が3級だと、障害年金も3級になりますか?
いいえ、手帳と障害年金は別の制度で、等級は連動しません。精神障害者保健福祉手帳の等級と、障害年金の等級は判定基準が異なります。手帳が3級でも年金は2級、あるいはその逆になることもあります。
Q7. 秋葉原・神田周辺で相談できる社労士はいますか?
当事務所は千代田区神田美土代町にあり、JR神田駅から徒歩7分です。秋葉原・上野・文京区・台東区エリアの方はもちろん、Zoom・電話・LINE・メールで全国対応しています。うつ病の3級申請でお悩みの方は、初回無料でご相談いただけます。
代表社労士より
うつ病の障害年金は、「働いているから無理だろう」と申請をためらう方がとても多い分野です。しかし3級は、まさに就労に制限がある方のための等級です。大切なのは、日々の働きづらさや体調の波を、診断書や申立書に正しく伝えること。私たちは、その一つひとつを丁寧に整理し、あなたの実態に合った申請をお手伝いします。まずは一度、お気軽にご相談ください。
秋葉原・神田障害年金申請サポート(佐々木淳社会保険労務士事務所)
社会保険労務士 佐々木 淳
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