ペースメーカーの障害年金診断書|心疾患用の記載ポイント

「ペースメーカーを入れたけれど、診断書はどの様式を使うの?」
「主治医には、何を伝えればよいの?」
「装着後も続く息切れや、仕事の制限も書いてもらえる?」

障害年金の診断書を初めて依頼するときは、迷うこともありますね。この記事では、ペースメーカーを装着した方が、医師に診断書を依頼する前に整理したい情報を解説します。

この記事で分かること

  • ペースメーカーの障害年金申請で使用する診断書
  • 初診日・装着日・現症日の違い
  • 医師に伝えたい治療経過と生活・仕事への支障
  • 完成した診断書を受け取った後の確認事項

この記事の結論

ペースメーカーの障害年金申請では、原則として「診断書(循環器疾患の障害用)」を使用します。正式な様式番号は「様式第120号の6-(1)」です。装着の事実に加え、症状や検査所見、日常生活・労働への影響を適切に記載してもらうことが大切です。診断書は医師が作成するため、ご本人は事実を整理して伝える準備をしましょう。

受給条件や申請全体の流れを先に確認したい方は、ペースメーカーの障害年金|受給条件・等級・申請の注意点をご覧ください。本記事では、診断書の依頼と記載事項に絞って解説します。

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ペースメーカーの障害年金診断書は「循環器疾患の障害用」

一般の診断書や身体障害者手帳の診断書とは、様式が異なります。病院へ依頼するときは、「障害年金申請に使用する循環器疾患の診断書」と伝えましょう。

日本年金機構は、作成前に要件・様式・記載する症状の日付を年金事務所等へ確認するよう案内しています。用紙は原則A3両面です。最新の様式は、日本年金機構の循環器疾患用診断書・記載要領で確認できます。

装着している機器の種類も確認しましょう

ペースメーカー、ICD、CRT、CRT-Dは区別して確認します。機器の種類が分からない場合は、手帳などを持参して主治医に確認しましょう。名称だけで受給の可否を判断しないことが大切です。

認定基準では、ペースメーカー・ICDの装着は3級の状態として例示されています。ただし、受給には初診日の加入制度や保険料納付要件などの確認も必要です。障害基礎年金には3級がないため、装着だけで障害基礎年金を受けられるわけではありません。

等級と加入制度の関係は、ペースメーカー装着で認定される障害年金の等級で詳しく解説しています。機器がICDの方は、ICD(植込み型除細動器)の障害年金と申請ポイントも参考にしてください。

ペースメーカーの診断書を頼む前に、3つの日付を整理する

日付 確認する内容
初診日 障害の原因となった傷病で、初めて医師の診療を受けた日。手術日とは限りません。
装着日 ペースメーカーを装着した日。初回装着と、その後の交換を分けて整理します。
現症日 診断書に記載する障害の状態の基準日。診断書を発行した日とは異なる場合があります。

初診日から1年6か月以内にペースメーカーを装着した場合は、装着日が障害認定日となります。1年6か月を超えて装着した場合は、この特例とは扱いが異なります。

過去の障害認定日時点を請求するのか、現在の状態で請求するのかによって、必要な診断書の対象時期が変わります。病院へ依頼する前に、年金事務所等で確認しましょう。

受診歴の整理や初診日の証明については、ペースメーカー装着者の障害年金|初診日の考え方をご確認ください。過去の状態での請求を検討する方は、障害年金の遡及請求|過去分を受け取る条件と必要書類もあわせてお読みください。

ペースメーカーの障害年金診断書で確認したい記載ポイント

診断書全体では、次の7項目を確認します。病状と無関係な欄をすべて埋める必要はありません。記載要領に沿った作成は医師に依頼してください。

確認項目 主な記載箇所・内容
1.傷病名・初診日 ①傷病名、③初めて医師の診療を受けた日。現在の病院の初診日と区別します。
2.治療経過 ⑨治療内容・期間・経過。入院、手術、通院の経過を整理します。
3.症状・身体所見 ⑪の臨床所見。動悸、息切れ等の頻度や場面を医師に伝えます。
4.活動の状態・心機能分類 ⑪の一般状態区分とNYHA心機能分類。医師が医学的に判断します。
5.検査所見 ⑪の心電図、心エコー、血液検査等。実施した検査の結果を確認します。
6.機器・装着日 ⑫疾患別所見等。ペースメーカー・ICD・CRT・CRT-Dを区別します。
7.生活・労働能力と予後 ⑬日常生活活動能力・労働能力、⑭予後。援助や仕事の制限も伝えます。

① 原因となった傷病名と治療経過

ペースメーカーは治療に用いる医療機器です。装着の原因となった傷病名、受診・入院・手術の経過を確認しましょう。転院した方は、医療機関ごとの受診時期を整理すると役立ちます。

  • 最初に受診した医療機関と受診時期
  • 初回装着の手術日、その後の交換・追加手術
  • 装着後の通院、服薬、再入院などの経過

② 装着後の症状と検査所見

装着後も動悸や息切れなどがある場合は、出現する場面・頻度を医師に伝えます。症状が改善している点も含め、実際の状態を共有しましょう。

診断書には心電図、心エコー、血液検査等の欄があります。必要な検査や数値の評価は医師が判断します。公式記載要領では、心電図所見がある場合は心電図のコピー添付が求められています。

③ 日常生活と仕事への影響

診断書には、日常生活活動能力と労働能力を記載する欄があります。「仕事をしている」「家事ができる」だけでは、休憩や周囲の援助が必要な状況が伝わりにくいことがあります。

  • 歩行や階段で症状が出る場面、必要な休憩
  • 買い物・掃除・入浴で家族の助けを受けている内容
  • 勤務時間、業務変更、欠勤、職場での配慮
  • 医師から指示されている活動・就労上の制限

仕事を続けながら申請する方は、働きながら障害年金を受給する条件・注意点も参考に、職場の配慮や業務の制限を整理しましょう。

例えば歩行については、「息切れがある」に加え、どの程度歩くと症状が出るか、休憩が必要かを、ご自身の実際の状態に沿って整理します。これは説明の仕方の例であり、受給事例ではありません。

一般状態区分やNYHA心機能分類は、医師が医学的に判断する項目です。希望する等級に合わせて記載を求めるのではなく、判断の材料となる事実を伝えましょう。

ペースメーカーの診断書依頼から受け取りまでの注意点

依頼前に用意すると役立つもの

  • 確認済みの診断書用紙と、記載対象時期の案内
  • ペースメーカー手帳、お薬手帳
  • 受診歴・手術歴をまとめたメモ
  • 対象時期の生活・仕事の状況をまとめたメモ

過去の状態を記載してもらう場合は、当時の診療録に基づく作成が必要です。今の状態と当時の状態を混ぜずに伝えてください。

受け取り後は、日付・記入漏れ・事実との相違を確認

氏名、傷病名、装着日、現症日などを確認します。病歴・就労状況等申立書と食い違いがある場合は、その理由を整理しましょう。

誤記や不足に気づいても、ご本人や社労士が診断書を書き換えることはできません。作成した医療機関へ確認します。社労士は書類の整合性や手続きの準備を支援し、医学的判断と診断書作成は医師が行います。

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ペースメーカーの障害年金診断書でよくあるご質問

Q1. 身体障害者手帳の診断書を使えますか?

障害年金専用の診断書が必要です。手帳と障害年金では制度や認定基準が異なります。手帳の等級が、そのまま障害年金の等級になるわけではありません。

Q2. 診断書は自分で書いてもよいですか?

診断書は医師が作成します。ご本人は生活状況などのメモを用意し、医師へ伝えましょう。完成後の追記・修正も医療機関へ依頼してください。

Q3. 装着した病院と現在の病院が違っても依頼できますか?

記載する時期の状態を確認できる医療機関に相談します。現在の主治医へ依頼できるか、過去の病院へ依頼すべきかは、診療録や必要な対象時期によって異なります。

Q4. 働いていると障害年金を申請できませんか?

就労しているだけで申請できないわけではありません。業務内容、勤務時間、配慮や制限を含めて確認します。診断書には、実際の働き方を医師へ伝えたうえで記載してもらいましょう。

Q5. ペースメーカー手帳だけで申請できますか?

手帳だけで診断書に代えることはできません。装着日や機器を確認する資料として活用し、診断書や初診日の証明など、必要書類を別途確認します。

Q6. 更新でも同じ診断書を提出しますか?

更新では、送付された障害状態確認届(診断書)等を確認します。新規請求と同じ準備でよいと決めず、提出期限と記載対象時期を確認して医療機関へ依頼しましょう。

Q7. 社労士へ相談してから医師に依頼できますか?

診断書を依頼する前から相談できます。初診日、請求方法、必要書類などを整理してから依頼すると、準備を進めやすくなります。診断書の記載内容は、診察等に基づき医師が判断します。

川口障害年金相談サポートは、社会保険労務士 佐々木 淳が代表を務める「佐々木淳社会保険労務士事務所」が運営しています。川口市・戸田市・蕨市を中心に埼玉県内の方のご相談をお受けしています。

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参考:日本年金機構「障害認定基準:心疾患による障害」/循環器疾患の障害用診断書の記載要領

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